namtoknaam’s blog

社会的実践家の仏教説法家スパワン師の本を読み解いていきます

その1-ブッダの一握りの木の葉 ―ブッダの核となる教えとは

 

 

 

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原著『ブッダの一握りの木の葉 ―ブッダの核となる教えとは』

これから、タイの仏教説法家のスパワン・クリーン師の上記の仏教の本を少しずつ訳していきたいと思います。なお、翻訳の許可はスパワン師からいただいています。

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ブッダの一握りの木の葉ブッダの一握りの木の葉―ブッダの核となる教えとは―


第1章 ブッダは何を教えたか


仏教に興味ある人達の中には、きっと、悟ったブッダが4つの奥義を教えたと知っている者もいるし、さらにブッダは、天国に行くためのお布施を教えたという考える人もいるかも知れません。私は、次の寓話を話すことで、自分の見解を明確に述べることになると考えます。仙人が魔法の杖を用いて、ある男を一瞬の内にベンガル虎に変えました。大きな虎になったこの男を、今後、どうすることが一番重要だろうかと自らに問えば、仙人に問題の解決を請い、すぐにでも人に戻してもらおうと努力すると答えるでしょう。すべきことは1つしかありません、すなわち、すぐにアドバイスをもらって己を改め、まっとうな人に戻るというのが、私の明瞭な回答です。アドバイスをもらって己を改め、人として復活したこの人は、この「虎」というのは本当の虎ではなく、魔法にかけられて虎のような振る舞いをしたことを理解しています。「虎」になった人は、追い求めた結果、慈悲によって仙人のアドバイスによって、自らを改める要領を会得して元の人に戻れたのです。この寓話は、仏教の核心となる内容を十分に含んでいます。すべての人は、人生の真実において自由を失っています。私達が遭遇している苦の状態は、それが、個人の苦であろうと、国レベルの、あるいは、世界レベルの社会の苦であろうと、すべては、真実の自由が欠けている大きな「虎」のメタファーなのです。