namtoknaam’s blog

社会的実践家の仏教説法家スパワン師の本を読み解いていきます

その12-ブッダの一握りの木の葉 ―ブッダの核となる教えとは

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スパワン師の原著

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しかし、間違っていません。何故なら、これは、言わば、森で迷った男が不死の甘露(アムリタ)の池を見つけたという「結果」が最初に来た男の経験だからです。もし、元々「虎」ではなかったという真理を探求する最初の人がいなかったら、ずっと末永く、私達は「虎」のように、愚かで暗闇の中にいるというブッダの説法を聞けなかったでしょう。ブッダの説法は、まず、結果を見て、続いて結果に対するアプローチをしているのです。
従って、「最初の人」がやって来て、人生の最大の目的は何かと、私達に真実を説法したことをしっかりと記憶しなければなりません。ブッダとは、人々に真実の説法にやってきた「最初の人」なのです。初転法輪の説法は、ブッダ発見したことを人々が理解させ、関わるようにさせた基本の説法の最初であり、最初の人生の地図だったのです。このことで、ブッダが教育者としての思考能力を存分に使わねばならない契機となりました。ブッダは、その時代の知性的な人物の1人と考えられます。そこで、ブッダは、最初の人生の地図を書いた後で、人々が何を欲しているのか、どのように説法を受け取りやすいのか分析しました。ブッダは、45年間、常に人生の地図を書いてきました。その期間、人々や神々に説法してきたのです。涅槃へ行くブッダの説法の地図は、道に迷った人が少なくとも歩めるように絶え間なくより改善し詳細にしたものでした。非常に詳細な人生の地図として大四念処経があります。
 ブッダの覚りを認め、ブッダに従った弟子達の修行プロセスは、涅槃に至る道程を実践することでした。不死の甘露(アムリタ)の池に行くために、森に迷ったことのある男が述べた地図に沿って歩くように、原因から結果を求めて歩みました。ブッダは、八正道に沿って歩まなければならないと言いました。それこそが、涅槃に至る説法、つまり、人生の地図だからです。
賢明な人は、ブッダが生まれてきたことが私達の人生に対しどれほど重要であるか、すぐに理解されることでしょう。もし、ブッダが説法を行う決断をした大きな慈悲がなければ、輪廻の中に彷徨う私達の人生は、さらに何十万年も暗闇の中にいたに違いありません。