namtoknaam’s blog

社会的実践家の仏教説法家スパワン師の本を読み解いていきます

その2-ブッダの一握りの木の葉 ―ブッダの核となる教えとは

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スパワン師による原著

これから、タイの仏教説法家のスパワン・クリーン師の上記の仏教の本を少しずつ訳していきたいと思います。なお、翻訳の許可はスパワン師からいただいています。

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すべては、真の自由に欠けているベンガル「虎」のメタファーなのです。たとえ、この「虎」がどこにもやすやすと飛翔して行くことができ、獲物を追跡し餌とし、また、他の動物が恐れているとしても(人だと大きな権力のある人物ですね)、この「虎」が、勇敢で、学識に満ち、いかなる世界もよく知っているとしても、自分がいまだ「虎」である真実から逃れることはできないのです。人生の真の自由な状態に戻ることができないでいるのです。真の自由な状態とは、寓話に即して言えば、元の人に戻るということですね。
現在、私達の状態というのは、人生の真の自由を失って、ベンガル「虎」の状態で、牢獄にいることに例えられるような苦の状態にいます。牢獄の中で生きるのは、当然、自宅にいるように幸せで快適ではありません。牢獄にいるため、人は考えすぎて苦を生じ、民族同士で戦って破壊することに至るのです。寓話は、世界の人々が人生の牢獄にいるといることを知らしめる教えです。
しかし、人は、この件で自分を助けることができません。何故なら、自分自身が魔法にかけられていることを知らないからです。どこを見まわしても、皆が大きな「虎」になっています。社会の大半の組織の人間も常態として牢獄に捕らわれていて、自分自身がベンガル「虎」であるように振る舞います。この真理を知る人こそが慈悲を持つ人なのです。慈悲を持つ人は、ベンガル「虎」でいるのは、魔法をかけられいるからだと知っており、ベンガル「虎」が、もう一度、人生の真の自由に出会うよう助けるために、探し求め、魔法を解く方法を発見したのです。
この男性こそ、シッダールタであり、その時代に彼は多くの師から真理を求めるために旅をし、自分の能力と統合することで、最終的に、魔法を解く方法を発見しました。すなわち、覚ってブッダとなったのです。ブッダが仙人の魔法を解く方法を発見したということは、ベンガル「虎」が人に戻ることを助ける道筋を発見したことになります。