namtoknaam’s blog

社会的実践家の仏教説法家スパワン師の本を読み解いていきます

その7-ブッダの一握りの木の葉 ―ブッダの核となる教えとは

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スパワン師の原著

 

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しかし、人生の真の目的は何か、誰も本当に知らなかったのです。シッダールタ青年は、覚りを探求する集団に6年間、参加しました。命がほとんど危険になるまで、その時代にあった様々な修行方法を試行錯誤しました。その時代のインド社会で起こっていることは、森に入った男が森からの出口を見つけられないような状態でした。ですから、ブッダの覚りは、森に入った男が偶然、不死の甘露(アムリタ)の池に出会ったような状態、あるいは、本当のところ、この「虎」は「虎」でなく、普通の善良な人でああるという真理を発見したことでした。
ブッダの覚りとは、彼が自然の最高の真理を発見したことを意味します。宇宙の最後の境界を発見したようなものです。さらに北に行くことができない極北です。ブッダはこの状態を涅槃と呼びました。そこは、苦が完全に尽きる唯一の場所で、「虎」から人に戻れ、人生の牢獄から出られ、完全な心の自由が得られるところです。すべての人間はいつも新たに多くの問題に直面していますが、ここは問題が尽きることが直ちにわかるところです。
涅槃の状態あるいは最上の覚りとは、すでに元々人の心にある状態です。ブッダが生まれようと生まれまいが、いずれにしても、涅槃は元々あり、ずっとあり続けるものです。ただ、森の中のアムリタの池のように、以前、誰も見ていなかったし、発見したことがありませんでした。ブッダが誰も発見したことがないものに出会ったのは、素晴らしいことでした。ブッダの覚りは、他の思想家と異なる新しい思想のカテゴリーとして創ったものではないことを、知識ある人は理解すべきです。涅槃の状態に入るのは、まったく思考することと関係ありません。ブッダが思考を用いたのは、その後であり、教えを説き始めた後でした。